2013.05.01

vol.4 プティサレ豚とブルゴーニュ

今回のお楽しみいただきたいマリアージュは、「プティサレ豚のポワレ」と「’09ブルゴージュ・レ・ボンバトン(フィリップ・ルクレール)」です。

まず、料理のご説明から。

このプティサレという技法は、ヨーロッパでは伝統的なもので今回は肉の中でも味わい深い肩ロースを、決められた塩加減で10日間寝かせます。すると浸透圧により、余計な水分が出て塩味も中心まで入りますし、旨味は凝縮されます。これは、エスポワールでも肉の旨味を引き出す為にシェフが使う技法です。

この料理の付け合わせは、蒸した野菜。これが絶妙な火入れで、野菜のフレッシュな食感を残しながらも火は入っているので、甘味が引き出されており、それをフレンチタラゴンというタラゴンの中でもより香りの強いハーブのドレッシングで絡めています。

豚肉は、その引き出された旨味を感じて欲しいというシェフの思いから、ソースは流していません。

この料理の付け合わせは、蒸した野菜。一皿へのおすすめワインは、’09ブルゴーニュ・レ・ボンバトン。フランス・ブルゴーニュ地方の赤ワインです。

造り手は、フィリップ・ルクレールというブルゴーニュ地方のジュヴレシャンベルタン村でパワフルな赤ワインを作っています。彼のワインは、新樽熟成をさせた力強く、長熟タイプに仕上げますが、このワインは新樽使用率を下げて果実の風味重視で作られています。ラズベリーの香りに清涼感を感じるようなハーブの香りが混じり、口に含むと果実味にスパイスの味わいとしっかりの酸、後味の切れとド派手なボトルデザインが特徴です。ここでのポイントは、肉の旨味をしっかり感じられ、さらには付け合わせの野菜の味も感じて欲しいというところで、どちらの味も邪魔しないワインを選ぶ事です。ソースが豚にかかっていないいつことで、旨味の出た豚の味の強さと同じくらいの味の濃さをもつワイン。また若々しさをもつワインは野菜と上手くマリアージュします。

豚肉の香りはワインが消してくれ、旨味を感じたまま徐々に味が消えていくと言った印象です。料理とワインがそれぞれ役割分担をしているかのようなマリアージュで、食事をより楽しませてくれるでしょう。

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