2013.07.24

vol.6 同郷のマリアージュ

今回の料理とワインのマリアージュは、塩尻市洗馬産黒毛和牛バベットステーキとサントリーの’07桔梗ヶ原メルローです。
エスポワールで牛肉料理の定番にしているのは、洗馬産のバベット(ハラミ肉)ステーキです。この部位は、日本では焼き肉屋さん以外ではあまり見かけませんが、横隔膜の部位で、赤身は馬マイをたっぷりもっており、そこに適度にサシが入ります。
そのバランスこそ、この肉の醍醐味です。そして付け合わせは、パイヤッソンと言われるものでじゃが芋のピュレを千切りじゃが芋で包んで焼き上げています。これが赤ワインソースと牛肉の旨味を吸い、肉ともよく合う付け合わせとなります。
ワインは、同じ塩尻市に古くからワイナリーを構える、ワンとリー塩尻ワイナリーの桔梗ヶ原メルローです。
この年で最終ヴィンテージとなってしまったこのワインは、完熟したメルローの中でも選りすぐりのぶどうのみを新しい樽で熟成させ、豊かな果実味をタンニンの中に香ばしさを兼ね備えたワインです。まだ、発展途上のワインですが、和牛の甘味と旨味、パイヤッソンの香ばしさにはとてもよく合います。
メルローのもつタンニンが牛脂を洗い流し、赤ワインソースは口の中で桔梗ヶ原メルローと区別がつかない感覚に陥るくらい混ざり合います。
1つの地域の産物同市が、このような素敵なマリアージュになるには、調理人のテクニックも不可欠ですが、同じ産地ならではの相性として定着したら良いですね。

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