レストランで楽しむということには、バランスよく味付けられ綺麗に盛り付けられた料理を食べる事。
また、家族や友人との会話をすることなど目的によって様々で、いろいろな楽しみ方があります。
今回は、食後の余韻をより楽しめるものとして、葉巻のお話をしたいと思います。
シガーと言えば、権力の象徴であったり、マフィアのボスが悪そうに口にくわえているというイメージが強く、
あまり好印象ではないかもしれません。
私も怖いイメージがあり、楽しむとは全く無縁でした。
イメージの先行しがちなシガーですが、一度その味わい方や楽しみ方を知ると、その魅力に引き込まれていきます。
そのシガーの入り方は様々にあると思いますが、私の場合は教わったことからでした。
4~5年前の話ですが、シェフからシガーとは香りを楽しむものだと教わり、それからシガーのイメージが変わりました。
中でもプレミアムシガーと呼ばれるものは、煙草の葉を収穫してから長い時間をかけて醗酵させ、職人の手によって
1本1本丁寧に巻かれていきます。
そうした贅沢な嗜好品は数々の著名人に愛されてきました。
日本では、吉田茂元首相が有名ですが、海外ではイギリスのチャーチルやJ.F.ケネディーといった国をリードする
人々に好まれていました。中でもチャーチルは、シガーのサイズにも名前が使われるようになり、生涯30万本を
吸ったといわれています。
また映画『タイタニック』でも、食後に男性陣はスモーキングルームに場所を変え、政治の話をするといった
シーンが出てきますが、ヨーロッパ文化では、重要な意味を持っていました。
私の中で、強烈に残るシガーシーンは、アメリカプロバスケットボールチームのシカゴブルズが優勝したシーズンの
祝勝会で、中心選手のマイケル・ジョーダンがシガーを加えている場面と、シガーBARで故山城新伍さんが
重厚なレザーのソファーに深く座り、シガーを吸っている姿を見て、憧れを覚えました。
シガーはマフィアのボスのイメージにしても、マイケル・ジョーダンのような特別な瞬間に吸う姿を見ても、インパクトを
人に与えるものなのです。
見た目にもつ強く印象に残るシガーですが、その味わいというと、時間と共に変化し、保存状態によっても受ける印象は
変わります。そういった特性は、まるでワインのようです。
煙は、肺まで吸い込むのではなく、ゆっくりと口の中で燻らせます。そして、立ち昇っていくシガーの香りに包まれた
時に、何もかも忘れ、その変幻自在に形を変える煙と香りの奥ゆかしさにどっぷり浸る事が出来ます。
さらに、世界の名酒とのマリアージュは、スパイスのようなもので、シガーの風味を引き立たせ、より楽しませて
くれます。また、チョコレートやハードタイプのチーズなども好相性です。
特別な日、何か成し遂げた後に味わうシガー(セレブレーションシガーとも言われます)は、その気持ちをより
高めてくれます。
エスポワールには、シガーをお楽しみいただけるシガールームもございます。カットの仕方、火の付け方も
お教え致しますので、お気軽にお尋ねください。
職人が巻き上げたシガーを燻らせながら、蓼科でゆっくりとした時間をお過ごしください。
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